神岡の中心街は景観地区に指定されており、外装や色調に配慮した計画が必要となっています。御施主様の意向とこのような計画地区でしたので、道路側正面は飛騨地方に多くみられる雁行桁と雲(肘木)を組み込んだ和風の住宅としました。
ただし一般的な真壁造りでは気密と断熱性能がどうしても悪くなってしまいますので、正面の壁は付け柱、付け土台などを使用することにより、断熱の壁厚と通気層を設けることができ、建物の性能を上げる事と同時に和風の景観を損なわずに施工できました。なお、道路側の両端の柱は6寸角の通し柱を使用しています。
玄関左側の外壁には下見板張り風に見えるように鋼板材を重ねて張りあげ、町並みの景観に調和させました。また、室内はバリアフリーの設計で、段差の解消、廊下の幅、入り口の開口幅などにも配慮し、将来的に車椅子でも生活できるように動線に気をつけ設計施工しました。室内各所に、無垢材を多く使用したりして室内環境にも配慮し、断熱性能は次世代省エネ基準を上回る仕様で施工しました。